ゴムがゴム製品になるまで②
ゴムの歴史②~加硫の発見~
前回はコロンブスがゴムを発見したところまでのお話をさせていただきました。
1839年にグットイヤーは硫黄がついたゴムに熱が加わると今までのゴムとは違った性質になることを見つけました。ゴムに硫黄を混ぜ、熱を加えることを一般的には加硫法と言い、化学的には架橋と言います。元々ゴムの分子は、非常に長い分子で、いったん伸び切ってしまうと元に戻らず、伸びたままの状態となります。しかし、加硫によってゴム分子が鎖状やばね状になり伸びたものがまた元に戻るという性質に変化しました。(図1参照)
この加硫の発見によってゴムの需要が拡大しました。
現在でも、身の回りで色々なゴムが見られますが、それらは全て生のゴムではなく、化学変化させたもの を利用しています。
例として輪ゴムやタイヤなど身の回りのものに使われており、以下のような特徴があります。
・伸縮性がある。人の力でも長さが2~3倍以上になり、元に戻る。
・追従性がある。(形が変わる)人の力でも変形する。
・弾性がある。与えた力に応じて跳ねる。
・振動吸収性がある。音や振動を吸収・消化し他に伝えない。
その後、19世紀末から自動車の発明と発展によってゴムの需要が急激に増加しました。
20世紀に入ってすぐ合成ゴムの開発が始まりました。主な理由として天然ゴムの熱帯地方の偏在と戦争における重要な戦略物資であったことによります。自動車及び航空機用タイヤ材料として使用され、1918年までにドイツでは天然ゴムの代わりに2千トンを超える合成ゴムが製造されました。戦後も各国で合成ゴムの開発が行われ第二次世界大戦後の50年は合成ゴム時代と言えます。
合成ゴムの種類としては、IR(イソプレンゴム)、BR(ブタジエンゴム)等様々なものがあります。
今回のお話はここまでとさせていただきます。